情報モラル指導力を高める校内研修プログラムの内容と、管理職の指導の下、研修担当者が研修プログラムに沿って校内研修を進めるために活用するコンテンツを掲載しています。
校内研修プログラムとは?
校内研修プログラムとは、一人一人の教員の情報モラル指導力を校内研修で高めるための具体的な研修内容と研修方法です。本プログラムでは、研修のシステム化と参画意識の向上を大切にしています。
一人一人の教員の情報モラル指導力を高める校内研修に必要な条件は以下の2点です。
研修のシステム化 | 児童生徒の情報モラルに関する実態をもとにして、「みんなで必要な知識を学ぶ」→「みんなで授業をつくる」→「みんなで実践する」研修を位置付けること。 |
参画意識の向上 | 「きく」だけでなく、「みる」「考える」「話し合う」「発表する」演習を取り入れた、参加型の研修にすること。 |
以上の条件を具体化するのが、本プログラムです。
校内研修プログラムでは、以下の3つの研修を位置付けます。
①みんなで学ぶ | 理論研修 | 情報モラル指導力の必要性の意識付けと、指導内容等の知識を習得する。 |
②みんなでつくる | 授業構想研修 | 情報モラルに関する児童生徒の実態から授業を構想する。 |
③みんなで実践する | 授業実践研修 | 授業研究を通して自己の実践に生かす。 |
研修の目的 | ・情報モラル指導力を高める必要性を意識付ける。 ・情報モラル指導に必要な知識を習得する。 | ||
研修の方法 | 講義+演習 | ||
標準研修時間 | 90分間 | ||
研修前半 | ①みる | ネット上の問題事象を取扱った情報モラル映像教材 を視聴する。 | ※ネット上の問題事象と情報モラルの指導内容との関連から、情報モラル指導力を高めていく必要性を意識付ける。 |
②考える | 教材に含まれる問題場面を選び出し、数名が発表する。 | ||
③きく | 問題場面に含まれる情報モラルの指導内容について聞く。 | ||
研修後半 | ④きく | 情報モラルの基本的な指導内容について聞く。 | ※情報モラルの指導内容に関する基本的な知識 の習得を図る。 |
⑤考える | 情報モラル映像教材 をもとに指導内容と指導方法を考え、数名が発表する。 | ||
⑥まとめる | 情報モラル指導に必要なその他の知識について知る。 |
詳しくは
研修の目的 | ・情報モラルに関する児童生徒の実態をつかむ。 ・授業を構想して実践への見通しをもつ。 | ||
研修の方法 | グループ演習(学年別グループ等) | ||
標準研修時間 | 90分間 | ||
研修ステップ | ①つかむ(個人→グループ) | 児童生徒の実態調査結果を見て、指導すべき内容を選択する。 | ※優先的に指導すべき課題を選出させる。 |
②決める(グループ) | 選び出した指導内容に合う情報モラル教材を決定する。 | ※指導に活用する教材を実際に視聴しながら決定させる。 | |
③つくる (グループ) | 情報モラル教材に添付されている指導案をもとに指導略案をグループで作成する。 | ※教材付属の指導案を付加・修正しながら指導略案を完成させる。 | |
④共有する (全体) | グループ代表が指導の構想を発表する。 | ※実物投影機等を活用して各学年の授業構想を発表させ、共有を図る。 |
詳しくは
研修の目的 | ・情報モラルの指導改善に向けての共通理解を図る。 | ||||
研修の方法 | 授業研究(授業参観+ワークショップ形式の授業協議会) | ||||
標準研修時間 | 90分間(授業協議会) | ||||
研修ステップ | 授業参観 | 授業評価の3つの視点(指導内容の妥当性・教材の妥当性・話し合い活動の有効性)に沿って参観し、授業評価シートに記入する。 | ※授業評価の3つの視点に基づいて参観させる。 | ||
授業協議会 | 1 自評 | 授業者が、本時の主眼達成度及び授業評価の3つの視点に沿って自評する。 | |||
2 ワークショップ形式の授業協議 | ①グループで、各自の授業評価(付箋に記入しておいたもの)を出し合って、指導効果があった点と、指導改善が必要な点に分けて分類シートに整理。その後、指導改善が必要な点について改善策を考える。②各グループのワークショップ結果を代表者が発表し、全体で共有する。 | ※授業評価の3つの視点ごとに成果と課題を整理させる。※課題に対する指導改善方法を考えさせる。 ※実物投影機等を活用して、各グループの指導改善案を発表させ、共有を図る。 | |||
3 まとめ | 研修担当者がワークショップの結果をもとに成果と課題についてまとめる。 | ||||
事後 | ・代表授業学年内での改善実施・他学年の授業実践の促進・情報モラル指導カリキュラム作成への反映 |
詳しくは
研修プログラムによる校内研修の進め方
情報モラルの校内研修計画を立案・提案する
①情報モラル研修を実施する組織を整える。
②年間校内研修計画に位置づける。(3回分・代表授業者の決定)
③年度当初の職員会議等で実施計画を提案する。
情報モラルに関する実態調査を実施する(★研修用コンテンツ)
①児童生徒のネット利用等の実態調査
②児童生徒の情報モラルに関する実態調査
③教員の情報モラル指導力に関する実態調査
理論研修を実施する(★研修用コンテンツ)
①研修の流れの確認
②配付資料の準備
③機器等の準備(パソコン・プロジェクタ・スクリーン等)
授業構想研修を実施する(★研修用コンテンツ)
①研修の流れの確認
②配付資料の準備
③機器等の準備(パソコン・プロジェクタ・スクリーン等)
授業実践研修を実施する(★研修用コンテンツ)
①代表授業に向けての準備
②研修の流れの確認
③配付資料の準備
・事前配付資料:指導案、授業評価シート、付箋
・当日配布資料:分類シート、ペン
④機器等の準備(パソコン・プロジェクタ・スクリーン・実物投影機等)
研修のまとめをする
①本年度の研修評価をもとに次年度研究を計画、立案する。
②情報モラル指導カリキュラムを整備する。
情報モラルの校内研修については、管理職の指導の下、推進組織等の体制を整えて計画・実施する必要があります。
推進組織については、情報担当者だけでなく、できれば2名以上で構成し、役割分担をしていきましょう。
情報担当者が複数いない場合は、校内研修担当者や内容的につながりのある人権教育担当や生徒指導担当と連携して実施することも考えられます。
【役割分担の例(3名体制の場合)】
○主担当=研修計画立案・提案・代表授業者選定、依頼等
○副担当1=各研修の準備(会場・資料等)、司会進行
○副担当2=実態調査の実施と集計
【年間研修計画例】
月 | 実態調査 | 理論研修 | 授業構想研修 | 授業実践研修 | 担当者(3名の場合) | |
4月 | 準備期間 | ・組織作り(主担当) ・研修計画提案(主担当) | ||||
5月 | 研修及び実践期間 | ○ (教員) | ・実態調査準備(副担当2) ・集計(主担当、副担当1) | |||
6月 | ○ (児童生徒) | ・実態調査準備(副担当2) ・集計(主担当、副担当1) | ||||
7月 | ○ (90分) | ・研修進行(主担当) ・研修準備、 補助(副担当1、2) | ||||
8月 | ○ (90分) | ・研修進行 (主担当) ・研修準備 補助(副担当1、2) | ||||
9~12月 | ○ (90分) | ・研修進行(主担当) ・研修準備 補助(副担当1、2) | ||||
1~3月 | 研修まとめ | ・本年度研修のまとめ(主副担当) ・次年度研修の計画、立案(主副担当) |