情報社会の進展に伴う児童生徒のネット利用等の現状及び学校における情報モラル指導の現状を踏まえた上で、すべての教員に求められている情報モラル指導力を提案します。
児童生徒をめぐる携帯電話やインターネット利用の現状
Gooリサーチ「子どもの携帯電話利用に関する調査(H21.3.3)」・文部科学省「子どもの携帯電話等の利用に関する調査(H21.5.15)」
Netmile社「インターネット利用ついての調査レポート(H21.11.17)」より
◇ ネットでのいたずら経験・・・4%の児童生徒
◇ いたずらの内容・・・・・・・悪口や作り話の書き込みが大半
◇ 動機・・・・・・・・・・・・「軽いいたずらのつもり」が一番多い 【図1】
【図1】 Netmile社「インターネット利用ついての調査レポート(H21.11.17)」より
学校における情報モラル指導の現状
情報社会の進展に伴い、新学習指導要領では、幅広い教科等で情報モラルを確実に身に付けさせる指導が求められています。
では、情報モラル指導の現状はどうでしょうか?
本センターが調査対象地区で実施した調査では、約90パーセントの学校が何らかの情報モラル指導を実施していますが、図2から、以下の課題が明らかになりました。
○年間1~2時間程度の指導時数であること。
○特定の教科等で実施されていること。
【図2】
本センターが調査対象地区で実施した調査結果(【図3】)から、以下の実態が明らかになりました。
調査協力地区における情報モラル指導実施状況調査結果(小学校52校・中学校22校)から
このことから、今、教員の情報モラル指導力をいかに向上させるかが、大きな課題となっています。
情報モラルに関する校内研修の現状
調査協力地区における情報モラル指導実施状況調査結果(小学校52校・中学校22校)から
高めたい情報モラル指導力とは
情報モラル指導力は【図6】のプロセスを繰り返すことで高まっていくと考えます。そこで、本研究では、このプロセスを情報モラルの「授業」に焦点化し、「校内研修」をとおして高める、校内研修プログラムを開発しました。
【図6】情報モラル指導力を高めるプロセス
本研究で開発した校内研修プログラムは、【図6】のプロセスをとおして文部科学省「教員のICT活用指導力チェックリスト」のD項目「情報モラルなどを指導する能力【表1】」を、身に付ける内容としています。
【表1】文部科学省「教員のICT活用指導力チェックリスト」D項目