児童生徒の規範的な行動を促すための具体的活動の在り方
 

 

 

 

 


 

 

 

道徳の時間,特別活動,総合的な学習の時間及び日常の指導等において,児童生徒の規範的な行動を促すための具体的活動の在り方を究明します。

 

 

 

 

 

(1) 「規範的な行動」とは

              礼儀作法が身に付いた行動

              きまりの遵守行動

              道徳的な価値に基づく行動

(2) 「規範的な行動を促す」とは

 規範的な行動は,自分自身が規範を身に付けるようになる内面化によって,促されると考えられます。そして,ひとたび内面化すると,自分からその規範に適する行動をとるようになります。

 内面化するにあたっては,次のことが必要です。

@   規範の持つ意義を理解すること

A   規範に適する行動のとり方が分かり,できるといった技能を身に付けること

B   規範に適する行動による感情を自覚すること

 

このことから,次のような三つの側面が大切であると判断しました。

@ 認知的側面(規範の意味内容や機能の重要性がわかる。)

A 行動的側面(場面や状況に応じた行動のとり方がわかって,できる。)

B 感情的側面(行動の実行による快感情,不実行による嫌悪感,罪悪感等を感じる。)

 

次に,内面化した規範を行動に表出するには,動機づけが欠かせません。なぜなら,動機づけは,行動を喚起し,維持し,強化する機能を持つからです。

 その動機づけには,「達成感」「他者からの期待感」「自己有用感」を高めることが有効です。

その理由の一つは,平成1617年度に行った調査研究(詳細はこちらをクリック)において,規範意識を高めるには,「社会的な体験の場を活用すること」「他者からの期待を実感させること」「自分の存在感を感じさせること」が必要なことが判明したからです。もう一つは,行動を自己調整するためには「自己効力感」を高めることが有効であるという先行研究(Bandura1997)の成果を活用したからです。

 それぞれの動機付けに影響を与える三つの感の特徴は次の通りです。

1.    達成感とは,自分の克服すべき課題がわかり,それを克服することを目標として高い水準で成し遂げたときに感じるものです。また,協力を必要とする活動で共に成功経験を味わうことでも感じることができます。

2.    他者からの期待感とは,他者からこうあってほしいとあてにされていると感じるものです。また,他者から信頼を寄せられたり,ほめられたり,評価されたりすることでも感じることができます。

3.    自己有用感とは,自分の役割がわかり,自分のやることが他者のためになり,社会の役に立つという意味を見出したときに感じるものです。また,自分にもそれができると予期するときに感じることができます。

 (3)規範的な行動を促す具体的活動」とは

 「規範的な行動を促す具体的活動」とは,次の三つの視点で今までの学校の教育活動を見直し,工夫と改善を図った教育活動です。

           各学校や各学年で実態調査を行い,協議し,規範的な行動としての目指す児童生徒像を設定します。

           規範の持つ三つの側面(認知的側面,行動的側面,感情的側面)を明確に表現し,その観点から,道徳の時間や特別活動の時間,総合的な学習の時間及び日常指導の目標や内容を定めます。

           内面化を強化するために,上記の四領域が系統・関連した学習内容・活動を配列した総合単元的な学習の指導計画や関連指導計画を設定します。その際,三つの感(達成感,他者からの期待感,自己有用感)が十分に味わえるような学習活動配列します。

 

 

 

 

 

各学校が設定した目指す子ども像

前原市立東風小学校

           人の健康を願い,改善・維持・増進するための方策を考え,共に実践できる子ども

              健康に過ごすことができるように,みんなで決めたよい姿勢を保つための方策を実践できる子ども(低学年)

              健康であることを願い,家族や自分との約束事を実践できる子ども(中学年)

              健康に生活できるために,他者とのかかわりを持って,自らを律する子ども(高学年)

 

川崎町立真崎小学校

○相手の気持ちを考えながら,正しい言葉づかいができる子ども

              相手を思いやる気持ちを持って,言葉や態度に表す子ども(低学年)

              だれに対しても,真心を持って,言葉や態度に表す子ども(中学年)

              相手の立場や気持ちを考えてその場に応じた言葉遣いができる子ども(高学年)

 

行橋市立稗田小学校

○社会や集団の中で役割を果たそうとする子ども

              家の手伝いや学級の仕事をがんばる子ども(低学年)

              きまりの大切さを知り,進んで守る子ども(中学年)

              互いに迷惑をかけないように,きまりや約束を守る子ども(高学年)

 

飯塚市立鎮西中学校

○基本的生活習慣を身につけ,望ましい人間関係を築く子ども

              ルールに従って,学級で分担した自分の仕事に責任を持って活動し,協力する子ども(1学年)

              他者と協力,協調するために,自らの言動を律しながら,進んで集団活動ができる子ども(2学年)

              社会生活を営む上で身につけるべきマナーが分かり,地域社会の一員として自覚を持って行動できる子ども(3学年)

 

岡垣町立岡垣中学校

○ルールやマナーを遵守し,守るべき規律を自覚して行動できる生徒

              マナーは,温かくかかわりながら社会生活を営むために,長い年月をかけて作り上げられたものであることが分かり,よりよい社会を形成するためにあいさつなどができる子ども(1学年)

              他人への配慮を欠くことがないように,公の場にはルールやマナーがあることを分かり,場に応じた適切な言動ができる子ども(2学年)

              法やきまりは,人々の生活を守り,自分のだけではなく,周りの人との信頼関係を築くものだとわかり,ルールを守ることができる子ども(3学年)

 

朝倉市立南陵中学校

○基本的生活習慣を身につけ,自律して行動できる生徒

              相手を思いやる気持ちが表れた言動として,礼儀があることをわかり,実行できる子ども(1学年)

              よい姿勢や他者の立場に立って考えることの大切さを知り,TPOに応じた言動ができる子ども(2学年)

              TPOに応じた言動は,他人に好印象をもたらすことができ,自分もいい気持ちであると感じながら,実行できる子ども(3学年)

 

 

※ 本研究の手引等成果物の完成は,平成203月を目標にしています。