研究主題 

 

 

 

 

自閉症児に対する個別的配慮の在り方
校内支援体制に基づく個の特性に応じた指導の充実を通して
 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の目標
 

 

 

 


自閉症児(高機能自閉症等を含む:以下同じ)の教育について,平成1617年度に実施した調査研究(詳細はこちらをクリック)の成果を基に,環境の構造化等の取組を基盤とした実践的活用を深化・発展させ,多様な実践事例を収集すると共に,自閉症の児童生徒をはじめ,発達障害のある児童生徒への適切な教育的支援につなげるための全校的な支援体制を整備する方策を明らかにします。

自閉症について
 

 

 

 

 

 


自閉症とは次の@〜Bの特徴のある傷害のことです。

@       他人との社会的関係の形成の困難さ

A       言葉の発達の遅れ

B       興味や関心が狭く特定のものにこだわる

そして,@〜Bの自閉症の特徴を示すもののうち,知的発達の遅れを伴わないものを「高機能自閉症」といいます。

また,@〜Bの自閉症の特徴のうち,知的発達の遅れや言葉の発達の遅れを伴わないものを「アスペルガー症候群」といいます。

現在では,これらの状態を境目が明確ではない連続体としてとらえ「自閉症スペクトラム」という概念で呼ぶことが多くなっています。

 

研究の実際
 

 

 

 

 


 (1)学校における自閉症児の指導の現状

  研究協力校の研究担当者及び担任等より,自閉症児の支援の現状と課題について整理しました。各校とも学校全体でチェックリスト等を活用しながら実態把握を進めている状況や自閉症(高機能自閉症等)の理解と指導について共通理解を図る校内研修を実施している状況が分かりました。

 

 

 

 

 

 

 

 


しかし,自閉症の特性の正しい理解に基づいた支援でなく,校内の組織的な協力体制作りが途上であるという課題も明らかになってきました。

そこで,校内体制の在り方や周囲への理解啓発を,上の推進体制により実践を進めていくこととしました。

 

 (2)自閉症児の個別的配慮についての共通理解

 自閉症児へ支援していく共通理解として大切なのは,次の三つです。

ア 「シンプル・クリアー・ビジュアル」を基本に支援を行うこと

「いつ,何を,どのように,いつまで,終わったら次は何をするのか」を具体的に示すことにより,自分で見て,考え,主体的に活動できるようにしていくことが大切です。

イ 特性に対する支援を行うこと

  自閉症の子どもは,「興奮状態やパニック」になることがあります。そこで,次のような対処が必要です。

1.    子どもの立場に立って,なぜそのような行動を起こすのか理由を考えます。

2.    感じ方や考え方の違いを尊重し,それらの特性を生かしながらよりよく生活するための方法を考えます。

3.    子どもの心情に配慮し,段階的に慎重に対応します。

ウ 分かりやすい環境作りをすること

  安心感や見通しをもって積極的に学校生活や学習活動を進められるように,「場所や場面」,「時間やスケジュール」,「活動内容や手順」,「教師の言葉掛けやかかわり」を分かりやすくするための環境作りを行います。物的な環境作りだけではなく,教師のかかわりを工夫することも大切です。

 

(3)学校における支援の進め方

  学校で支援を進めるに当たっては,自閉症の正しい理解に基づいた支援,一人一人の子どもの実態に応じて得意な能力を生かした支援,校内の共通理解に基づいた支援,学校生活全体に対しての支援が基本となります。そのために,@気付き,A情報収集,B共通理解,C支援の順に進めます。(特殊学級や養護学校に在籍する知的発達の遅れを伴う自閉症の子どもの場合,既に診断を受けていることが多いのでA情報収集から始めます。)

(4)研究の成果と課題

           自閉症の児童生徒の特性と基本的な配慮について認識を促進する方途を明らかにできました。

           各協力校において研究推進体制作りが行われ,実態把握の実施や授業工夫改善を中心とした研究推進が行われ,実践資料が蓄積されています。

           通常の学級におけるチェックリストによる気づきから詳細な実態把握に至るまでの方法の確立や,関係機関等との連携については,今後実践事例を収集する必要があります。

 

 

※ 本研究の手引等成果物の完成は,平成203月を目標にしています。