福岡県教育センター

HPマガジン 第4号


巻頭言 「韓国との交流」

福岡県教育センター 副所長  大津山 泰


 5月26日から6月1日まで「福岡・韓国学生教育交流事業」に参加し、韓国忠清北道にある国立韓国教員大学や教育センターと交流している丹齋教育研修院を訪問し、韓国の教育事情等を視察してきました。
 韓国には18年前に小中学生を引率して交流事業で訪問した経験がありますが、当時と比べて道路や町並みが整備され、住宅、ショッピングセンター、乗用車そして物価もグレードが上がり、日本と変わらない生活水準が感じられ、その間の韓国の経済発展が実感できるものでした。
 韓国教員大学は韓国教育界のリーダー教員養成と現職教員の研究・研修機関として、大統領令により創設された韓国唯一の国立教員養成大学です。広大な敷地に最先端の施設設備が整えられ、全国から選抜されたトップレベルの学生が寮生活を送りながら勉学に励んでいます。
 韓国は日本同様に教育熱心な国柄が知られていましたが、国が教育にかける予算の比率は日本を上回るものであり、教員大学のみならず、小中高校レベルでも各教室ごとの大画面テレビモニターやパソコン、空調設備など施設設備の充実を図り、少人数教育も推進しています。また、児童生徒を教育する教員に優秀な人材を確保するため、教員大学の授業料、寮費は食費等の実費を除いて無料となっています。
 日本同様、資源に乏しい韓国では教育こそが国際社会で生き残る道として力を入れ、お金をかけており、その成果は各種の国際学力比較等にも現れているところです。やはり、教育はすべての国民の社会生活の基盤を形成する大きな要素であり、その成果は国力を大きく左右します。教育力を向上するための教員の人材確保と資質向上は、いつの世でも最重要課題だなと再確認しました。
 ところでセンターのホームページでも紹介していますので一度ご覧いただければと思いますが、県教育センターと忠清北道丹齋教育研修院とは平成18年の10月から交流活動を行っています。今のところ相互訪問と資料交換といった程度ですが、韓国は英語教育やICT教育で日本より進んだ状況もあり、特に小学校の英語教育では参考になる事例も多いように思われます。また、教員研修の内容や方法、評価についても日本とは異なるものがあります。韓国側も交流に積極的で、今後の交流活動の中で良いものは取り入れ、双方に具体的な成果が出ることが期待されます。
 社会の国際化、情報化の進展の中で、教育も常に対応を迫られています。国際交流はものの見方を変えてみる良い機会でもあるし、多様な気づきを与えてくれます。また、いかに情報化社会とはいえ、マスコミ等による情報は一面的なものも多く、情報の適切な取捨選択、判断は簡単ではありません。交流による実体験は双方向的な情報交流として今後も有効な情報収集の選択肢となりますし、知見を広める効果もあります。
 教育センターにも、先日は忠清北道教育委員会の教育監(日本の教育長にあたる)が来訪されましたが、今後も7月9日には丹齋教育研修院の院長、職員、7月11日には韓国教員大学の教授、学生、さらに9月にはカンボジアの教員の方々が来訪される予定になっており、こういった機会を活用し、国際理解を深めるとともにセンターの事業の改善充実につなげて参りたいと考えています。